2009/05/03

第9節:東京3 vs 2大宮



1枚。



2枚。



3枚。


好調な人は何をやっても、どんなに難しいゴールでも決めてしまうのと同様に、不調な人はどんなに簡単に決められるようなチャンスも決めることが出来ないものだという事実。
それこそが、サッカーの面白さであり、奥深さであり、またオシムのような御仁をして「人生も同じようなものだ」と言わしめてしまう、真に「魅力」というべきものなのかもしれません。

もちろん、前者はこの日のナオであり、後者はカボレであり、我らがFC東京であります。

おそらく今季一番の前半と、であるにも拘らず2失点して最後は滝のような冷や汗とともに逃げ切った試合内容のためにそこかしこでネガティブな記述が散見されますが、、、。
その上監督も相当おかんむりのようですが、にしてもまずは初めて無失点以外で勝てたことを喜びたいとワタクシは思います。


御存知の通り、この日の東京はCBとボランチを全とっかえ。

CBにはボランチが本職の今野と、東京に来て以来ボランチにコンバートされた感のあるブルーノ。
で、ボランチのポジションにはもちろんボランチが本来のポジションである梶山と、期待の新人ボランチの米本が。

ちょっと前のエルゴラでは、京都のスタメンにおけるCBが本職の選手率の高さをフィーチャーしていましたが、翻って東京はボランチでセンターラインを埋めるという形に。これはこれで結構興味深い布陣ではあります。
まあそんな机上の数字あわせようなことよりも、要するに狙いは彼らの展開力を買ってのものでしょう。
残念ながら東京のセンターバック陣は、人に強くともパスセンスに秀でた選手が見当たらないというのが妥当な評価であるように思います。
某赤いチームの田中君のフィードや攻撃面でのセンスはやはり秀逸であると思いますし、そこへいくと増嶋はなかなかその点いいものを持っていたように思いますが、結局当時の東京でスタメンに定着することは出来ませんでした。

既に何度も書いている通り、今季の東京の浮沈を決める最大のポイントは、梶山の働きを半分でいいから担える選手が、どのくらい出てくるかであるとワタクシ自身は思っています。
タメを作れて、効果的にボールを動かせる選手。
いわゆる「使われて活きる選手」が多い東京にあって、梶山にかかる負担というのは外から見ているよりも相当に大きいと感じずにはいられません。
シーズン当初は大竹や浄にその期待をし、また昨季から今野もその役割を求められては悪戦苦闘を繰り返しています(そして彼は少しずつではありますが、それを消化し始めているようにも思います)が、この日の今野・ブルーノのCB起用とパフォーマンスは現状の東京において一つの「解」といえるのではないでしょうか。

まあしかし、実際のところをいうとこの日東京が大宮を押し込むことが出来たのは、開幕戦で新潟に大敗した時の我がチームのようにDFからのパスでミスを連発してショートカウンターを喰らう、と言う事を繰り返してくれたお陰でありまして。
もう少し圧力をかけて攻められた場合に彼ら2人とヨネのセンターでどこまでやれるか、というのは全くの未知数かと思われますが、それでも前半に再三ブルーノが見せた美しいロングフィードや、前線からプレッシャーをかけられた際にスッと振り返ってキーパーにバックパスを出したプレーなどは、実にエレガントで可能性を感じさせてくれるものであったようにワタクシは思っています。
後は次節の広島戦や、川崎戦でどこまで出来るかというところでしょうか。
願わくば、次の広島戦は同じ布陣で臨んで欲しいところではあります。


そのブルーノによるピッチを斜めに切るパスが再三向かった先にいたのがカボレでしたが、、、。

何だかもう、完全に悩んでしまった感じがしますね。。
後半、キーパーと1対1になったにも拘らずボールを不要に蹴りだしてしまってシュートできなかったシーンを見たときに、「これはちょっときっかけがないと暫く続くかもな、、、」と正直思ってしまいました。
ああいうのは「どういうプレーを選択しようか」と必要以上に考えてしまい、いわば「ボールが足についていない」状態になっている時に起きるプレーだと、個人的な経験からは思う訳で。
結構周りは見えていて、チャンスの数もどんどん増えてきているだけに、今はゴールの枠だけが小さく見える状態という感じでしょうか。
こぼれ球を押し込む、そんな小さなキッカケさえあれば大丈夫だと思うのですが、何にせよ早めに訪れて欲しいものです。



お立ち台は、初フル出場の米本君でした。
そういえば神戸出身であることをすっかり失念しており、喋った途端に思わず「関西弁かいっ!」と突っ込んでしまったのは秘密です。苦笑
ゲームの最後のクウォーターでは流石にバテてしまっており、その影響もあってか危ないシーンも少なからずあったように思いましたが、今日のJFK監督は意地でも最後まで米本を使うつもりだったようで。
まああの展開だとなかなか変え辛いというのも理解は出来るのですが、、、。

タッチライン沿いに出ずっぱりで終始エキサイトし、サブメンバーのやりくりなど微塵も考えていないようなその振る舞いをずっと見ていると、「ちょっと監督熱くなり過ぎて交代忘れてないか!?」と心配になってしまったりもしてしまいます。
実際この日はスタメンを引っ張りに引っ張って、最初の交代が後半30分過ぎですから、連戦を鑑みてメンバーを大幅に入れ替えてきた相手方の監督氏とは間逆の感。
実際ここ最近の東京は前半の頭からフルスロットルで、後半に息切れという傾向にあることは確かなところなだけに、これからの連戦後半に向け、悪影響が出ないことを願うばかりです。




個人的に、夜の味の素スタジアムは漆黒の夜闇の中に照明に照らされたピッチが浮き上がっているように見えて、なかなか好きな景色の1つです。

生憎この日の観客数はリーグ戦では本当に久々ではないでしょうか、20000人を割り込んでしまいました。
けれども、この日のゴール裏には確かに熱があったように思います。
スタンドの気合は、試合前のユルネバに宿る圧力、込められる熱量で計ることが出来、その熱を感じることが出来た時、ワタクシの目の前の試合への昂まりは最大限に達するのです。

願わくば、東京のホームゲームでは、ロスタイムに眠らない街を唄って、恍惚に浸りたい。
この日はそれは叶いませんでしたが、それでも東京は、ここまでどん底で、今もまったく安心して見られる状況では微塵もないけれど、それでも今季も一歩一歩進んでくれるかもしれない。
そんな期待を抱かせてくれた、今節のゲームではなかったかと思います。

次の相手は、広島。

眠らない街を。
頑張りましょう。

2 件のコメント:

sususu1999 さんのコメント...

お久しぶりです。

私は他のCBが好調ならば、ブルーノさんを前目で使うのも面白いかな?!と思うのですが…再三カボレを狙ったパスも出していましたし。
カボレは長友くんとの関係が昨年より悪い気がするので、そこで調子がイマイチな感じも。(シュートは関係ないか(笑))
私的には長友くんも一度外してみるのもいいかな?と思います。
この前は救われましたが(苦笑)

広島戦はカボレお休みのようなので、そこは仕方ありませんが、他はあそぶさんと同意見で替えないでほしいです、モチベの意味でも。

失礼しました。

あそぶ さんのコメント...

御無沙汰してます。

ここ最近は仕事で忙しくアップしてなかったもので、、、。すいません。

ブルーノを前で使うのはワタクシも賛成なんですが、そうすると前の誰を外すのかが難しいところですよね。
米本はじっくり育てて欲しいところですし、、、。

広島、行かれているみたいですね。
非常に羨ましいです☆