2009/04/13

第5節:東京1 vs 2鹿島



ようやく。といいますか。

この試合が開幕戦であったならと、1ヶ月遅れでやっとこさ目撃できた「プロサッカーの試合」に、敗れたこと以外は満足度の高いゲームでありました。

東京は今季初めての4-2-3-1の布陣。
今季においては、最も昨シーズン終盤の良かった時の陣形に近い形になりました。
違ったのは、梶山と羽生の位置が逆になったということ。
チャンピオンチームに挑戦するにあたって、東京は今季立ち上げから志向してきた梶山のトップ下、そしてここ2試合継続してきた羽生のボランチを採用するという選択。
そして結果的には、この功罪両面が出たのかな、と。
リプレイも是非見て確認したいことはたくさんありますが、今現在はそう思っています。

立ち上がりのマルキーニョスのゴールは、ありゃどうしようもないとして(選手コメントでは今野に当たったためにあの軌道になったみたいですが、ゴール裏で見ていた際には何とも無茶苦茶なウルトラゴールだと素直に思いました)、その後大迫に決められたのはペナルティエリア内で大迫vs羽生というマッチアップになってしまったのが大きかったと思います。
あそこを羽生がケアしないといけないのはやはりこのゲームに臨むにあたっての布陣選択におけるリスクの部分に間違いはないでしょう。

逆に攻撃面では、鹿島が2点取ってフォアチェックに来なくなった、という側面はもちろんあるとは思いますが、梶山ではなく羽生をボランチに置いたメリットも良く見えたかな、と。

彼はやはり非常に視野の広い選手で、サイドでナオやカボレが収めたり、一つ前で梶山が溜めを作れているときにはその素晴らしいスペースへの全速力でのフリーランニングを右に左に何度も見せてくれました。
赤嶺のゴールシーンもスローインになったところでの彼の猛ダッシュから生まれたもの。
どういう訳か誰も羽生をケアしていなかったという鹿島ディフェンスのミスもあるとはいえ、彼が梶山を、徳永がナオを、長友がカボレを追い越していく、相手のペナルティエリアを囲んで弧のラインでボールを回していくなど、攻撃面の内容も掛け値なしに今季観戦試合で最高の面白さでありました。

とはいえ前半は、やはりモニかなあ。と。

2失点目を喫する前も、まあたった15分ではありますが、攻撃はある程度「やれていた」感触だっただけに、先発に復帰した茂庭の「ゲームに入れていない感」が鹿島の攻撃時の厚さを演出してしまったというか。
とにかく守備の最初の1歩も遅ければ、ボールを蹴るのか繋ぐのか、そういった判断も総じて不適という。。
前半30分くらいでようやくどうにかこうにか落ち着くまでは、とにかく酷い出来であったと思います。
結局2点を取って鹿島が攻めてこなくなったお陰で守備面では余裕が出来たからこそ落ち着いたのでもしもあるのならば、その辺は大きな反省材料といえるのではないでしょうか。

まあ前半飛ばしに飛ばしたせいもあり、ラスト20分は完全なるガス欠でした。
今季はパフォーマンスが高値安定している徳永が上がれなくなるなんてシーンを見たのは本当に久しぶりだし、梶山はもうボールに触りたくもないとばかりにワンタッチでボールを放すばかり。
カボレの交代は負傷なのかスタミナなのか判らなかった(試合後は歩いて挨拶に来てましたし)が、やはりフィジカル面での影響はあったと思います。
上手くいなされたとか、後半開始早々のナオのシュートが決まっていればとか、引分けでも妥当な感じ? とか。
まあたられば色々ある訳ですが、個人的な感想としては、まあこれが彼我の差ではないでしょうか。
と、素直にそのように思います。

ただ、冒頭でも述べた言葉を繰り返させていただくなれば、ようやく「サッカーの試合」が見れたな。と。
確かに東京は勝てなかったし、鹿島が省エネに徹したお陰という要素があったとしても、ワタクシ自身にとっては既にハーフタイムの時点で「本当に面白いゲーム」でありましたし、私見ではありますが、今まで30,000人を超えた観衆の前で東京が見せてきた試合内容を振り返っても、今節についてはニュートラルな方々にもそれなりに愉しんでいただけたゲームになっていたのではないかな、とそう思うのです。





願わくば、これくらいのパフォーマンスを開幕から目の当たりにしたかったというのが本音ではありますが、ようやく1ヶ月を経て、幾ばくかの期待を抱くに至ったというのが率直な感想です。

これで、次の千葉戦で対戦相手に初勝利をプレゼント。
なんていうのはもういい加減に卒業してくれることを信じたいところですが、、、。
こればっかりはどうなんでしょう?苦笑

とはいえ、そこを突き抜けない限りワタクシ達の愛するチームの展望が開けてこないことは誰が立証する必要もない命題であることは疑いがない訳です。

進化が問われる試合が続きます。
そしてそれが、きっと「道半ば」を歩き続けることなのでしょう。


雲雀の唄を、次こそ聴きたいと思うのでした。



2009/04/06

第4節:磐田1 vs 0東京



「屋根つっけろ! 屋根つっけろ!!」
「風邪引いた! 風邪引いたっ!!」

「磐田~♪ 磐田~♪ 東京から車で3時間っ♪♪」
「E・T・C!! E! T! C!!」www


とまあこんな具合に、試合後は言いたい放題なゴール裏ではありましたが、ワタクシ自身はと言いますと、試合中にレインコートを伝ってポケットに溜まった雨水の中で携帯電話が溺死してしまいまして、雨にずぶ濡れになりながらも勝利を手にすることが出来たという悦びと、買ってまだ3ヶ月の最新型携帯電話に起こった不幸とが相俟って、何とも訳のわからない軽いパニック状態になっておりました。。。(泣)

お願いですから屋根をつけてください、、、。

開始早々の「えっ!?」という中で唐突に訪れたジウシーニョとの1対1を権田が止めた瞬間、「行けるかも、、、!」と思ったのはおそらくワタクシだけではなかったのではないでしょうか。

この試合、一緒に雨の中観戦してくれた浜松在住の友人が、試合終了のホイッスルの直後に一言、「3-1だな」。
その感想は至極真っ当に正しい訳で。
でも、それでも勝てたのは権田のお陰であり、また、それこそがサッカーの不思議でもあり、面白さ、残酷さでもあるのでしょう。
権田が向こう側のゴール前で交錯し試合がストップした時には、本当に気が気じゃなかったです。
願わくば、負傷が軽いものでありますように(切実)。


磐田が押し気味だったとか方々で言われていますが、現地で見たものの一人としての率直な感想はといえば、今シーズン見た試合の中では最も内容が良かったのかな、と思います。
まあ、この内容で「もっとも良かった」と評さねばならない苦しさはさておき。ということですが。

まずはやっぱり、中盤の守備の部分でしょうか。
浅利が入ったことで、安定感が抜群によくなりました。
この試合も含めて、今季の東京の対戦相手は判で押したようにコチラのサイドバックの裏を狙って攻めてくるわけですが、浅利がしっかりとCBのカバーに入ることで、CBがワイドに開いてフォローに出て行ける。
その結果、徳永や長友の守備も安定感を増すという好循環を生んでいるようにワタクシには見えました。

神戸戦、磐田戦と出色のパフォーマンス。
そういえば、ふと思い出したのが2月に見た練習試合(水戸戦)でも、浅利は同じように守備時にはCBの位置に下がって3バック気味になっていたこと。
その時は今野・長友は代表で不在だったために相棒はブルーノでしたが、今野が戻っても浅利は定位置で今野がセンターバックへ。

はたと気がついたのは、これはつまり見方によれば「今野からポジションを奪った」ということなのでは?

結果的にモニがベンチに押し出されてしまった(これについては色々思うところはありますが)訳ですが、勝手な見方ながらこれは地味に凄いことなんじゃないか、と今、自分で言っておいてしみじみその意味を噛み締めております。

その「奪われた」形になった今ちゃんはといえば、守備面では全く心配は要らないんですが、やっぱり課題はビルドアップのところでしょうか。
この日も何度も、ボールを持っているのに出し所を探してキョロキョロ、なんていうシーンが見られました。
これに対しては前の選手がもう少し顔を出してあげるべきかな、という部分もあり、チーム全体の課題でもあるかと思いますが、やっぱりフリーで持って前に運べない、選択肢を持てていないというのはあまりいいことではないなあ、と思います。
特にこの日もチームとして、DFラインでボールを回す事自体問題はないんですが、回しながらどんどんどんどん自陣のゴール前まで下がってきてしまう、それでは全然ボールを保持している意味がないよー、、、というシーンが散見されました。
やっぱりそういったところで自分たちでどんどん押し込まれてしまうのは大きな問題であるように思えます。

かと思えば、梶山がCFを追い越して、トップラインに達也・赤嶺・梶山・羽生・石川と5人もいるような場面もあり(後半30分くらいだったかな?)。
こういう部分が、「バランス」というところなのでしょう。
幸い、運もあって失点せずに来れているので、上手く流れを掴んで欲しいところではあります。。



「俺の」磐田キラーはやはり「キラー」でありました。
去年のゴールの時は「(蹴ったのは?)判りません。脚です!」なんて言っていたのに、今年は「余裕があった」だそうです。笑

ただ、赤嶺もカボレも、チーム戦術としての「ポゼッション」という部分にあまり貢献できていないのが個人的には気になるところです。
赤嶺はファーストDFとしての貢献度は高いのですが、足元のボール回しに加われていない印象。
カボレはキープ力はあるものの、視野が狭い感じで結局一人で突っかけて潰されている、という。
それでもカボレはファールはもらえているので、もう少し2人+大竹・羽生あたりで崩しのイメージが持てれば、それなりなシーンも増えると思うんですが。。。

とまあ、色々ありますが。
兎にも角にも、ずぶ濡れになって携帯が水死した挙句に敗戦で帰京、という最悪な事態は免れましたし、今回の磐田戦ではそれなりに満足度もあったのも事実です。

心配性のワタクシは、正直今の状態で次の鹿島に全く勝てる気がしないのですが、それでも最低限の結果は出ているし、まかり間違って勢いに乗っちゃうこともある訳で。
そもそも4試合終わっての勝ち点は昨シーズン(5点)より多いですし!

不安は尽きませんが、それでも希望がない訳じゃない、と一縷の糸を信じつつ、今週一週間は幸福に過ごしたいと思っております。

さあ、という訳で次節は王者・鹿島戦。

東京の「今」を、ぶつけたい。
それしかないですね。