2009/11/06

華 -ナビスコ決勝:東京2 vs 0川崎-



花が咲いた。

スタンドには青と赤の風船と、そしてみんなの泣き顔と笑顔が咲きました。


そして、ピッチの上にはもっと大きな、大輪の華。


東京に関わる全ての人の想いが、1つ。
素晴らしい実を結びました。





始発から寒空の下を5時間程。
本当に、本当に寒かったけれど、それでもあっという間に時間が過ぎて。
そのスタンドに立った時にはみんなが笑顔で、「ああそうだ。これが決勝だよな」と実感します。



昨年の決勝を大分側で眺めながら、その素晴らしい雰囲気に「来年はここに来たいね」と話していたワタクシたち。
1年後に本当に自分たちのチームが、この舞台にやってくるとはあの時は全く想像していませんでした。

もちろん言わずもがな。
余所のチームではなく、ワタクシたちのクラブと共に経つスタンドの空気は、やっぱり格別です。
そしてつくづく、東京を愛する人達はお祭りが好きだ。
こんなにも大きな舞台を、心から愉しみ尽くそうという。そんな気概にみんなが溢れているのが、何より素敵過ぎると思うのでした。

その点は、あの時の浦和よりもこの日の川崎よりも、ワタクシたちの勝ち! ではないかなと、そう実感しています。




サッカーという競技において、何よりも、そして他の全てのことよりも絶対的に大切なもの。
それがゴールなのだということが、ワタクシがこの日の試合の感想として、強く感じたことでした。

それを呆気なく外してしまうことで。
また、何の雰囲気もないところから唐突にそれが決まることで、試合の流れ、スタジアムの空気、そしてプレーヤーの躍動やメンタルコンディションが一変してしまう。
そんなゴールを決め、そしてそれを決めさせなかった2人のルーキー(今年、ポジションを奪い、定着したという意味において)が、この日のMen of the Matchであることに疑いはないと思います。
そして改めて、その1つのゴールを奪うために必死で走り、身体をぶつけ、悲嘆に暮れ、狂喜する。
そんな当たり前のサッカーの原点における素晴らしさとでも言えばいいのか、毎年毎週、スタジアムに足を運んでは目にしているものの当たり前に知っているはずの価値に、スタンドで涙に暮れながら、改めて感嘆したワタクシなのでした。

みんなに、おめでとうを。

そして全ての人に、ありがとうを。








































































2日経ち、今一番素晴らしいなと感じているのは、これはワタクシ自身が一番吃驚してもいるのですが、とにかく今週末、浦和に勝ちたい、とそう願って止まない気持ちに嘘偽りがないことです。

5年ぶりのタイトル。

そして、あの日以来一度も勝つことが出来ないでいる相手。

このblogではワタクシは何度も何度も言っていますが、とにかく川崎よりもベルディよりも、その他のどの相手チームに対してよりも、浦和に勝ちたいのです。


2度目ナビスコ戴冠は本当に嬉しい。
夢のような時間でした。

でも、それはもはや美しい記憶で、とにかく心の底から浦和に勝ちたいのです。

まだまだシーズンは続きます。
最後まで、走り抜けましょう。

日曜日、またここで。



みんなで勝ちましょう!

2009/11/02

おやすみなさい。

皆々様、明日、国立でお逢いしましょう。

そして、一緒に唄いましょう。

叫びましょう。

試合終了の笛の後、みんなで諸手を上げて泣きましょう。


そう、君は一人じゃない。

君は一人じゃ、ないのだから。



それでは。明日。

2009/10/31

11月が始まる。



ファイナリストとはかくも注目されるものなのか、と。
雑誌新聞テレビにラジオ、ネットまで、何だか清水戦や浅利の引退発表が遠い昔に思える程に東京の情報が氾濫していた1週間でありました。

その中でも、ナオの全治が「○ヶ月」なる発表には至らずに本当によかった。
今日小平へ行かれた方々の話ではもう退院して少しずつ身体も動かしているようですが、「天皇杯決勝で復帰」なんて焦らずに、来季の開幕にしっかり間に合うように、そしてワールドカップに間に合うように、万全のカムバックを果たして欲しいものです。
彼がもう一度躍動すべきステージは、きっと、チームとワタクシたちが整えてくれるに違いないので。


ワタクシもご多聞に漏れず、今週は職場にペナントを掲げ、携帯の待受けを変え、超多忙の中にあってもそわそわしながら浮ついた1週間を堪能させていただきました。笑

そりゃそうだ。
今浮かれずに、いつ浮かれるんだっていうくらい。
正直川崎に勝てるかどうかを考え出すと、悲観的な展望を思い浮かべてしまいがちですが、だからこそこの試合前の1週間は素晴らしく美しいもの。
始まってしまえば後はスタンドで声を枯らし、必死で唄い、願い、祈り、叫ぶだけですからね。

最後はボールがどっちに転がるか。
それはボールに聞いてくれ。

ワタクシたちの監督はやっぱり男前です。




届いたチケットも、無事全て配り終えました。
2年前からたった1人で始めた草の根観客動員作戦も、今ではSOCIO5人増、ビックフレームス1人増、キッズクラブ1人増。
今回はスペシャルチケット含め、全部で14人の団体で望むことになりました。
しっかりと座席を確保して、素晴らしい瞬間をみんなで喜びあいたいものです。

その時まで、あと3日。

2009/10/26

SHINING, No.7

浅利 悟選手 現役引退のお知らせ(Official)

今日からナビスコ決勝に向けての記事を上げていこうと思っていたんですが、昨日日本平のスタンドで別れた友人からのメールに目を疑った月曜の朝でした。
吃驚して携帯サイトの本人からの引退コメントを見てしまったら、この忙しいのに午前中は全く仕事になりませんでした。

いや、本当は、この日が来るような気がしていたのかもしれません。


「米本は浅利を引退させるかもしれない」


2月初旬、今季初めて行われた小平グラウンドでの練習試合。
梶山が下がった後の中盤で躍動したルーキーをその目に初めて見たときに感じた感想がこんなにも早く現実のものになるなどとは、この言葉を口に出した本人すら想像だにしていませんでした。

引退コメントの中で奇しくも浅利本人がそのことに触れていたのは、印象的でもあり、ワタクシたちが与り知らない「プロ」という世界の厳しさを窺い知らされるものでもあり。


「尊敬する選手は浅利選手」
といってクラブの門を叩いた18歳の選手が、その畏敬の対象に引導を渡す。

自分を慕ってくれた選手の成長に己を知り、スパイクを脱ぐ。

ある面では、プロスポーツ選手冥利に尽きる体験なのかもしれませんし、またある面では、これ程過酷で悔しい瞬間はないのかもしれません。


そんな今日の日を予感しながら、でも、できることならば、そんな日はずっと来て欲しくなかったというのが、嘘偽りのないワタクシの気持ちです。


藤山の段でも書いた通り、ワタクシと「東京ガスサッカー部」との繋がりは、アマラオであり、藤山であり、浅利でした。
やっぱりワタクシの中での「FC東京」とはまだまだ「部活サッカー」と揶揄され胸を張っていた頃のトーキョーであり、その象徴は、パスが下手な守備専門の背番号7のボランチであり、小柄でパスミスは多いけど華麗なインターセプトを見せる背番号8のセンターバックであり、最終ラインまで戻って守備をする、シュートの下手な背番号9のブラジル人であったのです。

東京の歴史に比べれば、ワタクシなどはまだ若造ではありますが、多分ワタクシたちがそんな時代と少しでも繋がりを持っている、恐らく最後の世代ではないかと思います。
だから、藤山が去り、浅利が退く。
この2009シーズンに、FC東京というクラブにたゆたう時間軸の中における、1つの時代の終わりを感じずに入られません。


アマラオ・フジさん・サリさんの時代から、ナオやシオ、モニの時代へ。

こう書いてみると、ワタクシたちのクラブはそれなりに幸せな時代の移り変わりを体験できているのではないかな、とも感じます。
そして、その移り変わりを目の当たりにするワタクシたち自身の幸運と葛藤もまた、素晴らしいもののように思えます。

アマの時は、最後、手が届かなかった。

だから今度は、みんなで、笑顔をくしゃくしゃにする涙で、彼らを送ってあげたいなと、そう思います。


声を挙げよう。

唄を歌おう。


ゴール、決めてくれないかな。

2009/10/25

第30節:清水1 vs 2東京



代わりに入った選手が、すぐさまゴールを奪ってみせる。
アクシデントでポジションを代えた選手が、決勝点を誘発させるクロスを上げる。

これだけ見ても、様々な苦難の中にあっても今の東京は非常にいい流れを掴んでいる。
何よりもそれを感じた一日となりました。














長友は脱臼だそうで。

それならばと椋原を右にいれ、徳永を左に。
終盤には平松を入れて椋原をその前に。
更には藤山を左センターに。

ベンチに軒を揃えたDF陣を巧みに使って守備だけでなく攻撃面も活性化していくやりくりの上手さが今節のハイライトの1つと言えるかもしれません。

この日は清水の攻撃も東京の攻撃も、東京の左サイドが中心でした。
徳永は文句なくこのゲームのMan of the Matchだと思います。

ただ、サイドを上手く崩せているのは、今野・梶山・平山のセンターラインが非常に強固になってきているからこそ、とも。
彼らのところでボールが収まる。
そこを衛星的に動き回る米本や羽生・達也・赤嶺が活きる。
そしてサイドにスペースが創り出される。

今の東京は、中も外も、状況に応じて自由自在に使えるかのような、そんな流麗な攻撃を魅せてくれていると言えるのではないでしょうか。


その根本要因として絶大なる要素は、当たり前のことなのですが、その基礎技術の向上であると個人的には確信を持っています。

日本平のようにピッチが近いスタジアムだと、選手間のパススピードの速さと、それを止める(留める)トラップの技術が城福監督が東京に来た2年前に比べて、もう本当に、格段に上がったなあ、と。
それを改めて感じるのです。

自分が次のプレーをするのに適切な位置に、ボールを正確に「置く」ことが出来る。
その自身が周囲をルックアップする余裕を生み、見方とのイメージの共有を造り出し、次のプレーへの動き出しをどんどん早くしている。
攻守の切り替えもそうですが、今の東京の選手のプレースピードは格段に速い、改めて今、それを実感しています。

後半、リードを奪いながら、攻め急がず、まるで真綿で相手の首をじわじわと絞めていくように。
左から中央、中央から右、前から後ろ、そしてスピードアップして相手を抉りフィニッシュまで。
決して急ぐことなく、しかしそれでもしっかりと危険な攻撃を全員で組み立てながらやりきってしまうという、そもそもこのチームが標榜していた形を何度となく表現できていたことに、スタンドで思わず感嘆の声を漏らしてしまいました。

清水の出来を差し引いても、このレベルの相手に東京の持つメソッドが通じたという点では、この試合で得た自信というか、その手応えは今日の日の勝利と同様に、とても大きいように思います。

後はこれを、継続すること。
川崎でも浦和でも、どんな相手に対してでも。
決勝戦でも、優勝のかかった大一番でも、どんなシチュエーションに置かれた中でも。

それを表現していけるかどうかが、言わずもがな、ポイントになってくるのではないでしょうか。

既に力はついている。
後はそれを、アベレージにできるかが、今季、残り僅かな試合の中でのテーマの1つになると、個人的には思うのです。




「藤山と優勝!! 全ての東京サポーターより」

現地では気がつきませんでしたが、こんな横断幕が出ていたんですね。


ワタクシが東京に出遭った当時、東京の象徴はアマラオでした。
そのアマラオが去り、彼の様々なエピソードが語られる中で耳にした余りに有名な一編が、横浜への移籍話でした。
イケイケとアマラオが泣きながら話し合った翌日の試合、アマラオを愛したゴール裏の一部はゲームそっちのけで、試合中アマラオコールをし続けました。
ユキヒコがゴールを決めても、試合が終わっても。

それを見た藤山は、「俺の時もあんな風にしてくれるだろうか」と思ったといいます。

KING OF TOKYOが去りし後、彼は「ミスター東京」と呼ばれたいといい、そして望みは叶い、今では「社長」と呼ばれるように。



そう。気持ちは一つ。



ナオのために。

フジさんのために。


そして、東京を愛する、ワタクシたちのために。



帰り道に、新潟戦のチケットを買いました。
ぴあでは完売、ローチケも残りわずかなようです。

フクアリも、コーナー席ですが、何とか手に入れました。


全てを。
みんなで見届けましょう。

ユルネバを、みんなで唄いましょう。


次は、ナビスコ決勝。川崎戦。

2009/10/20

we'll walk with you.

石川直宏選手の検査結果について(オフィシャル)

やはりというべきか。
思ったよりも軽症というべきか。

ただ、確かなことは。
今日からナオの復帰へ向けた闘いが始まると言う事だと思います。


みんなが好きなナオだから、やっぱりISHIKAWA 18のユニは女の子が来た方が似合うから。

今までそう思っていたからこそ、彼のナンバーグッズは何一つ持っていないワタクシですが、ナビスコ決勝に向けて、彼のユニを作ろうかと思います。
それを着て、国立のスタンドに立ちたいと思います。

やっぱり、ナオと一緒に決勝に臨みたい。
間に合うかどうかはわかりませんが。。。

それでも、何かしたいと思うのです。
例えそれが、何の役にも立たないかもしれないことだとしても。


そう。
いつまでもくよくよしてはいられない。

顔を上げよう。

前を向こう。

彼のためにも。
俺たちのためにも。


we'll walk with you, anytime, anywhere.

yes, You'll never walk alone.

2009/10/18

第29節:東京4 vs 0柏




大量得点。無失点。

来場者数も28,000人超。

そんな試合でインタビュアーが待ちぼうけを食った理由。
そしてワタクシがこんな気持ちになる理由は、ハッキリしています。


新境地を得て遂に復活。念願かなって代表に復帰して、これはもう悲劇以外に何と言えばいいのでしょう。


もし神様がいるのなら、どうか、どうかワタクシたちのヒーローに幸運を与えてあげて欲しいとただただ祈る反面、何故に彼にばかりかくも過酷な物語を用意するのだろうかと、問い詰めたい気持ちでいっぱいです。


シオ、モニ、ナオ。

今年は81年組に、試練が降り注ぐ年なのでしょうか。


どうか。

どうか彼の怪我が軽傷でありますように。

選手生命を左右するような大怪我でありませんように。