2010/09/20

いつかまた共に過ごす時間を信じて。

東京が低調になり、ワタクシ自身の状況も相俟って全く更新しなくなってしまったこのブログに、今日だけはと思いキーボードを叩くのはもしかしたら卑怯な行為なのかもしれません。

それでも、城福監督が東京の指揮官となった年に開設し、彼が率いた東京を追いかけたその足跡が残るこの場所に、どうしても今現在の想いを吐き捨てておくことは、ワタクシにとって意味がある行為であるように思うのです。


拙い言葉を書き連ねれば連ねるほど、その気持ちが安っぽくなっていくような気もして気が引ける部分もあるのですが、ワタクシは城福浩という一人の人間が、そして彼の紡ぐ言葉の一つ一つやピッチサイドにおけるその佇まいが、その標榜するフットボールが、心の底から好きでした。
サッカー戦術やそのチームマネジメント、またはフットボール界において物議を醸すようなその発言など、そういった個性が好きでたまらない監督を少なくない数知っているつもりですが、こんなにも「人一人」としてのサッカー監督を心から好きになったのは、おそらく初めてだと思います。

彼の言葉には力がありました。

ワタクシたちに、大きな夢を語り、そして彼と一緒にならばそれを実現できるのではないか、そう思わせ、心躍らせてもらったサッカークレイジーは、決してワタクシだけではないと思います。

そして、実際に彼と東京は勝ち取りつつありました。
シーズン順位は6位、5位と上昇。今までバックラインでパスを回せばどよめいていたスタンドが、いつしか「オーレ!」と勝鬨を上げ、「俺とお前は夢の中」と唄うようになりました。
2008年の大竹、2009年のヨネと抜擢されてすぐにその存在を輝かせたルーキーも登場。
5年ぶりにナビスコカップを獲得し、感涙を共にすることも出来ました。
その全てが彼一人の偉業だと讃える気は毛頭ありませんが、それでもワタクシたちの多くはこの2年間、彼の口にした「365日右肩上がりのチームになる」ことを信じ、そしてそれが今後も続いていくことを思い描くことを躊躇わなかったはずです。



ワタクシはこれまでの2年9ヶ月、チームが苦境にあるときも、一度も「監督を代えるべき」と思ったことはありませんでした。

でも一昨日の磐田戦を見て、初めて「代えた方がいい」と率直に思いました。
このチーム状況になって、選手はチームのスタイルをピッチの上で全く表現できなくなっている。
依然、チームにとってその言葉は力を持っているけれど、それが前を走りすぎて現実を見失っている。そんな気が初めてしたのです。

そして、現実的に残留を目指す場合には、チームには「型」が必要だと思います。
無形の形を標榜した城福東京において、その転換を成し遂げることを城福さんに求めることは出来ない。この状況を好転させるべく、何かキッカケを持たねばならないとしたら、それは監督交代という名の劇薬ではないか、ワタクシはそう思った次第です。

それでも、ワタクシは今尚彼とそのチームが目指したスタイルが大好きですし、失敗に終わったとも思ってません。
そしてきっとそれはワタクシだけではなく、磐田戦のゴール裏に陣取り、本当に感動的に声を上げ続けた方々も同じだと信じています。

シーズンはまだ続いていくし、クラブも、そしてワタクシたちファンも当然のことながら続いていきます。
城福さんとのお別れは幸せな形では訪れなかったけれど、それでもきっと、運命の糸は私たちと彼をもう一度引き合わせてくれ、この夢の続きを共に見られると、ワタクシはそう信じていますし、心からそれを望んでいます。

そして、その時まで積み上げ続けるために。
彼がいなくとも、ワタクシたちは右肩上がりで歩き続けるために。
まずは今シーズンを、何としてもJ1のステージにしがみついて終えなければなりません。

すぐに試合はやってきます。

状況は厳しいですが、ワタクシたちのホームで、開幕戦以来の勝利を手にして、城福さんへの感謝の唄を届けたい。
そんな風に今は思っています。

as the end of the storm, is a golden sky.


心からの感謝を。
そして、ゆっくり休んでください。