2008/08/06

三ツ沢に咲いた花。




三ツ沢公園サッカー場、現ニッパツ三ツ沢球技場は、東京最南端に住むワタクシにとって味スタよりも気軽に行くことの出来る、そしてその見易さ、コンパクトさが何よりお気に入りなスタジアムの一つなのです。

そんな場所で我らがFC東京 U-18が決勝戦に出るというなら、こんなサッカーのない週末にはそれはもう見に行くしかない訳ですよ。

そんなこんなで行ってみると、7:3程の割合で東京側の応援者が多かった感じ。
帰宅してから知ったのですが、同じ日に柏のトップチームはファンイベントを開催していたらしく、そんな影響で柏のゴール裏は人数的には残念な感じになっていましたが、それでも熱心に最後までサポートする方々には自軍他軍の関係なく本当に頭が下がる想いです。
聞けば前々日の準決勝の試合後には、決勝点を決めた9番の選手(工藤君、でしたか)にトラメガを渡していつもチュンソンとかがやっている勝利の儀式をやったんだとか。
我がトップチームでも先日の東京ダービーの後、ゴール裏からシャーをリクエストされた椋原がなんと嬉しそうな顔をしていたことかというのが思い出されますね。
ああやってチームの「縦」の繋がりから、後々クラブを愛し、そしてクラブの顔となる選手が育っていくのは実に素晴らしい事だと、いやはやワタクシが言うまでもなくですな。。





試合は決勝戦に相応しく、正に好ゲームというべきものでした。
両チームともよくオーガナイズされたチームとしての「個性」を充分に発揮していたし、かつ局面局面でのボール際の厳しさといったら、ともすれば淡白になってしまうこともあるトップチームの選手にも見習って欲しいとは言い過ぎかもしれませんが、それくらい「勝ちたい!」という気持ちが全選手からビンビン伝わってくる、本当に熱戦。
掛け値なしにどちらが勝ってもおかしくない展開で、退場者の影響もあって東京がわずかに勝利を手にしましたが、柏ユースのサッカーも本当に洗練された美しいものだったとワタクシは思います。


昨年、等々力での「多摩川コラシコ」を見た時から「この選手、いいな」と思っていたのが10番・岩渕君だったんですが、約1年を経て久々に見た彼は、身長はそれ程高くないまでもトラップが正確でボールがしっかりと収まる、すっと消えてるかと思えば決定的なシーンにしっかりと顔を出してくるいい選手になっていました。
残念ながら得点はなく、ちょっとフィジカルに問題があるのか途中交代が多いですが、それでもやっぱり見ていて子気味のいいプレーというのは好みだったりします。
ここから先もしっかりと伸びて、是非味スタで再会したいですねえ。

それともう一人、鮮烈な印象を残したのが左サイドバックの2番・安部君。
後半、柏の対面の選手が退場になってしまい目の前が開けると、何度も何度も全速力でハーフの選手を追い越しては飛び出しては1対1、クロス、そしてその後は自陣で守備と、小柄で華奢な感じはするもののあのプレーにはあの日メインスタンドで見た方々の大半は胸のすく、爽やかな気持ちになったのではないでしょうか。
もう本当に「全力」で追い越していく姿に、「出してやれ!!」と思わず叫ばずにはいられなくなってしまう。
新しい選手を発見する喜びは、ユースならではです。

後はキャプテンの4番・畑尾君も非常にいい選手という印象でした。
DF面もさることながら、そのキャプテンシーと試合を読む力が抜群という感じ。
確かに様々なメディアに書かれている通り、我らがユースは彼を中心に非常に良くまとまっているように思いました。








優勝という結果については、もう特に言葉を尽くす必要もないでしょう。

去年のサハラカップから、これで関東ユース、このaddidas cupと軒並みタイトルを勝ち取ってきているというのが本当に驚きです。
去年まではユースチームも、トップチーム同様「勝負どころで勝ちきれない」という印象を抱いていたのですが、やっぱりタイトルを勝ち取ったことから得たものというのは、本当に大きいのだなあと漠然とですが感じずにはいられませんね。

最も惜しい事実は、このチームがユースゆえに「期間限定」であると言う事でしょう。
ここから何人の選手が来年、トップチームへの切符を手にすることが出来るのか当然ワタクシには知る由もないわけですが、多くの選手が、そのユニフォームに袖を通せればいいなと無責任に願っては、でもその為には今の選手の誰かを出さねばならないのだよなあ、と勝手に逡巡する夏の夜であります。



ともあれ、本当に素晴らしい試合を見せてくれた、全ての関係者に感謝と拍手を。

ありがとうございました。

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