2008/12/06

第34節:千葉4 vs 2東京





敗因を一言で述べるとするならば、「采配ミス」ではなかったかなあ、と。
羽生の交代こそが、このゲームの趨勢を決め、ラスト20分の奇跡を千葉にもたらした要因であったように思います。

まあ本人が脚を攣って交替を申し出た訳ですが、2-0で勝っている段階で、気持ちでプレーするのとは違うやり方で相手をいなすことが出来る選手、今季の東京だと多分エメだとおもいますが、そういったボールを持てる選手がベンチにはいませんでした。
前線の選手は多かったものの、ちょっとバランスが悪かったかもしれませんね。
ピッチに入れる交替選手を決めるのも監督の仕事ならば、当日ベンチに入れる18人を選ぶもの監督の仕事ということですね。




試合前、奇跡の残留に向けて意気揚がる黄色いサポータの「WIN! BY!! ALL!!!」に、ファンファーレ、東海マーチ、終いにはウェーブで応える東京ゴール裏。当然そんなおちゃらけムードに付き合うわけのない千葉側ファンには容赦なくブーイングと、ここぞと言う試合で見せる東京ゴール裏の「すかしモード」が全開でした。
一部の方々からこの雰囲気をして「温い」「緩い」だのという意見があるようですが、ワタクシ自身は、このスタイルこそが大一番に望む東京ファンの最高の気概の発露だと思うのですがいかがでしょうか。
大一番になればなるほど、相手がムキになればなるほど、「そんなに熱くなってないで、楽しもうぜ!! いえ~い」みたいな姿勢で相手をいなしつつ、でも勝っちゃうもんね! 的なw。
結局この日はそうは行かなかった訳ですが、それでもこの日ゴール裏に居合わせたいちファンの受けた印象としては、最高の雰囲気を試合前に造れたと思う、というものでしたがいかがでしょうか。


この試合を通して語る価値があるように思うプレーヤーとして挙げるならば、やっぱり羽生。それから巻でしょうかね。

相当な決意を持って今年一月、ワタクシたちの東京に移籍を決断した羽生のこの日のプレーは、まさに千葉時代、「テレーポーテーション」「分身の術」「ピッチのどこにでもいる」「いや、実はピッチ上に羽生が3人いる」とまで言われた、東京に来た以降はなりを潜めてしまっていたあの珠玉のパフォーマンスでありました。
実際に千葉の残留にかける気迫を跳ね返していたのはその羽生の縦横無尽のプレーぶりであり、言葉を発せずともプレーでチームを引っ張る。そんな描写が相応しい程伝わってくるものがありました。

ただ、、、。
ワタクシはそんなことを思いながら、羽生が千葉の選手から激しくボールを奪い、また際どいシュートを放って東京側に歓声を、千葉側に悲鳴をもたらす度に、その姿に『はじめの一歩』でハンマーナオ(ゲロ道)と対戦した時の幕の内一歩を重ねずにはいられませんでした。
早く決着をつけたい。
さっさと試合を決めて、ラクになりたい。
早く終わって欲しい。

果たして彼が本当にそんな気持ちを抱えてプレーしていたかはもちろんわかりません。
が、とにかく見ているこっちが心配になるほどフルスロットルで飛ばす羽生に引っ張られる形で、東京はハイペースなサッカーを展開。結果的に、2点を奪います。
実際、長友のゴールが決まった瞬間、ピッチ上の千葉の選手は完全にガクッと来ているように見えました。
、、、ただ一人。巻を除いては。

千葉がこちら側に向かって攻めていた前半、巻のプレーは本当に恐かった。
空中戦での競り合いは、正直佐原・モニと5分だったと思います。
でも、彼が競ってボールを触る度、本当にその度にヒヤリとさせられました。
彼は正に鬼気迫るなんて言葉では形容できない程の迫力・悲壮感に溢れたプレーで、愚直にゴールを、勝利を目指していたように思います。

羽生のシュートがポストを叩いて、最後まで千葉の背番号18の心だけは折ることが出来ずにピッチを退いた後、東京は遂に千葉の、いや巻の決死の想いをはね返すことが出来なくなります。
新潟戦の松下のシュートは、塩田が触った結果ポストに弾かれゴールを割らなかったのに、この日の新居のシュートはポストを弾いてゴールに吸い込まれていきました。

そこからあれよという間もなく2失点。
2点目の谷澤のシュートも素晴らしかったけれど、その前に競り勝って彼にボールを落としたのはやっぱり巻。彼の「諦めない気持ち」が、千葉を大逆転に導いたとしか、絶句するワタクシには思えませんでした。








ドラマというにはドラマチックすぎる千葉の残留物語も、その引き立て役となった東京側から見れば本当に悔しい、情けない試合。
ワタクシたちのチームも、今まで何度も相手にまさにこういった感じで煮え湯を飲ませてきていたわけですが、初めて飲まされてみてその絶望感に呆気にとられるしかありませんでした。

でも、いいもの見せてもらったかな。
たとえ負け惜しみでも、そういいたいなと思います。おめでとう。来年もこの素晴らしいフクアリで東京の試合を見ることが出来る。
試合後、千葉のシーズンアウトのセレモニーを見ながら素直に拍手を贈らせて頂きました。



何はともあれ、これで今季のリーグ戦は終了。

最後に本当に悔しい想いをさせられてミソをつけられてしまった訳ですが、それでもやっぱり今季のリーグ戦は上々の出来であったという気持ちに、これっぽっちも嘘偽りはありません。
元々ベルディが川崎に勝つことは正直に全く期待も何もありませんでしたから、残る天皇杯を勝ち残って、元旦国立という至極のシアワセ体験を味あわせてもらいたいと、そう思います。

その相手は、怨敵・清水。
結局今年4試合して一度も勝っていない相手ですが、そして前回天皇杯で対戦(@岡山)した際も2-0から悔しい逆転負けを喰らった相手ですが今度こそ! 絶対に勝ちたいと思います。

0 件のコメント: