2008/11/11

第31節:ガンバ1 vs 3東京



いやいや。。。
本当に、夢じゃないかしら。

そう思わずにはいられない程、圧倒的に試合を支配され(ボール支配率:30対70)、倍以上のシュートを浴び(7本-15本)、10倍の数のCKを蹴りこまれても、スコア的には快勝という、本当にドッキドキの試合になりました。
でも、本当に行ってよかったです。



万博競技場は今回初上陸。
国体型のスタジアムは、やっぱり見くいですね。

新スタジアムの建設計画とかはあるとかないとかだそうですが、チームのソフト面でなく、ハード面でもアジアを代表するクラブになって行って欲しいものです。
せっかく巨大なスポンサー様がついているのだから。





アップの風景。
真剣な表情と見るか、硬いと見るか。




コレオグラフィ。
名古屋に行ったときも同じことを思いましたが、やっぱりファンが大人しい印象でした。
スタンドの構造のせいかもしれませんが。。。
とても好感の持てるスタイルのサッカーを応援しているチームは魅せているだけに、ちょっと残念な感じがしますね。


で、試合ですが。
冒頭に述べたような印象だけではただの「不思議の勝ち」で終わってしまうわけで。

それはそれでいい思い出にはなるのですが、やっぱり「サッカーを呑み屋で語る」にはもう少しもっともらしい似非論理が必要な訳です。
という訳で、スタジアムレベルで見た時に感じた、もう少し戦術的なポイントを書いてみたいと思います。


両チームの機軸は、ガンバが4-3-1(ルーカス)-2気味の4-3-3に対して、東京は鹿島戦と同じく4-3-3。
これは前回も書きましたが、この状態だと東京の方が中盤において構造的に数的不利に陥ることになります。
更に、今回の対戦相手であるガンバが鹿島と決定的に異なるのは、DFラインを2枚にしてでも両サイドバック(加地・安田)がいっぺんに上がってくることでしょう。
この辺がガンバが「攻撃的」と評される所以であり、実際それによって相手を圧倒的に押し込む、中盤を試合するスタイルを指向しているチームであると思います。

両サイドバックが押し上げた時は、ガンバの前線はルーカス・ロニー・播戸の3トップの形になります。
すると当然東京の4バックとは非常に分が悪くなります。
実際にその「4枚」の間を播戸に使われて、1対1の場面を何度も作られてしまいましたし、そこで塩田にネ申が降臨していなかったら、恐らく大虐殺もあったと思います。。。

この日の東京がそれにどのように対応したかというと、まずDFラインの4枚は中に絞って相手の3枚に対峙する、京都や新潟が採用している「守備的な4バック」を採用。
これで中央の数的不利をある程度解消すると、サイドはなんと安田にはナオ、加地にはカボレがDFラインまで下がって対応するという、「超守備的」な布陣で応戦。
いずれも守備の選手ではないので、カボレのサイドは長友が上手くフォローしてくれていたことや加地がそこまで深く抉っては来なかったということもありまあ大丈夫かな、と思ってみていたものの、反対側のナオvs安田は「かなり荷が重いなあ。。。」と当初思っていました。

ところが。
ナオは安田とのマッチアップを試合終了まで互角で乗り切ったばかりか、そこから攻めあがってクロスで先制点をアシスト。
それを決めたのは逆サイドのなんとカボレ。
まさに「6バック」さながらの位置取りで守っていたところから前線まで行って点を獲ってしまう。
得点シーン以外にも、左のカボレから大きくペナルティエリアを横切るクロスが入り、ナオがフリーで受けたけどふかす。。。(あれはせめて枠!)なんていうシーンもありました。
しかもナオにいたってはフル出場を果たしたわけですから、この日の両翼2人は本当にスーパーの一言ではないでしょうか。

他にもこの日は、2得点目は長友のロングスローからナオ、3点目は徳永のクロスから平山と、サイドの選手の頑張りが結果に表れた試合となりました。
ただ、そんな深い位置からカボレやナオが上がることが出来たのは、マイボールに収まった少ないチャンスで平山や梶山、羽生といったところが中央でしっかりタメを作れていたというのがやはりあると思います。
梶山は終盤に相手(倉田でしたかね?)のチャージに切れて「おいっ! お前がイエロー貰うとやばいんだからっっっ!!」なシーンでヒヤリとさせてくれたものの、今季は総じてパフォーマンスが高値安定。
欲を言えば後は得点の怖さが出てくるといいのだが、といってところですが、それでも毎試合素晴らしいプレー振りを披露してくれていると感じますし、平山は梶山のように「引き付けて、、、引き付けて!!」だそうとして失敗。。。というシーンはあるものの、チームのサイド攻撃を機能させるに不可欠なピースになっているように思います。
あれで「まだまだ全然上手くなれるよな。。。」と素人のワタクシが思ってしまうのだから、そのポテンシャルは確かに凄いものがあるのか、と最近徐々に思うようになりました。
「でーじ寒がり」な「俺の」赤嶺にも負けずに頑張って欲しいものです。

後はモニですかね。
途中交代してしまいましたが、前半播戸に数回裏を取られてからは、ラインを下げるという対応ではなく、6バックのようなラインで自身が余る形になっていたこともあると思いますが、そこからロニーや播戸に入る楔を徹底的に潰しに行く、時にはルーカスとやり合っている今野や遠藤を見ている梶山を追い越してまで楔を潰す、そういった選択をしたことが後半頭からの播戸の交代を呼び込んだのかもしれません。
結局彼が退場して、今ちゃんがDFラインに入ると、1対1は問題ないんですがやはりDFラインが下がってしまい、ガンバの遠藤を中心とした独特の縦→縦→縦の立体的な崩しに危ないシーンを作られてそこからルーカスに得点されてしまったのはちょっと示唆的であったように思います。
負傷の具合が心配ですが、本当に、心の底から軽症であることを切に願ってやみません。






というわけで、MVPは試合の流れを相手に渡さなかった塩田で決まりとは言うものの、個々の局面や戦術面での充実ぶりが輝いていたように感じられた今回の大一番、鹿島・ガンバと破ってのこの時期の連勝は、本当に価値あるそれではないでしょうか。
サッカーって本当に底の見えない、懐の深いゲームだなあという感想を抱くに至った今節ではありましたが、日曜日が終わってみると川崎も負け、名古屋も負け、大分と鹿島は引分けというなんとも、、、なんとも!!な展開に。

もしかしてこれは、、、!!
東京のお家芸、


たなぼたか!?w




各メディアでも、「首位の鹿島から6位のFC東京までの6チームが勝ち点差3の中に、、、」と、いよいよ優勝争いグループの仲間に入ってきました。



もう愉しくて仕方がないワタクシですが、大切なのは最後まで、一生懸命戦い抜くことだけですよね。
そして最終節、フクアリで何が起きるのか、個々まで来たらしっかりと見届けたいと改めて決意している次第です。




諸般の事情により、残念ながら次の天皇杯・新潟戦と、次節・神戸戦は現地に行くことは出来ませんが、それは皆様に託してワタクシはホーム最終戦・新潟戦に備えたいと思っております。
ポイントはこの1ヶ月で2度当たる新潟だと思っていますが、まあもう来たらどんな形で「感謝の日」を迎えることになっても、最後まで愉しんで駆け抜けることが出来るように。

夢のような時間が、まだまだ続きますように。

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