2008/12/31

天皇杯準決勝:東京1 vs 2柏



シーズンの終わり。
それがこんなにも悔しく、また茫然自失の静寂の中で訪れたのは、少なくともワタクシの記憶の中では今シーズンが初めてでありました。

それ程までに愉しかった、そして何より長かった! 今シーズン。
「後1歩突き抜けられなかった」チームの航海は、エコパでひとまずその碇を下ろします。

それにしても、、、悔しい。。。



初めてのエコパ。
山の中にこれ程にも立派な「ハコ」が荘厳にそびえ、また往く道には動く歩道まで整備されているという。
素晴らしいスタジアムであることには違いないのですが、果たして採算取れているのか? ハコもの行政の極みではないのか?? など、多少穿った味方もしてしまうへそ曲がりなワタクシなのですが。



中もこれまた素晴らしい造り。
味スタと雰囲気が似ている感じがするのは気のせいでしょうか。

ちなみに、入場ゲートと売店は来場客がFC東京である、ということを加味してちゃんと見積もっておいて貰いたいものです。
待機列の長さには本当に吃驚しましたが(皆様本当にサッカー好きなんですねえ。笑 ニヤニヤしちゃいました)、開門から30分経っても入場できないとか、ビールが売り切れとか、マジでありえないです。

売れば儲かるんだから、売ればいいのに。笑





噂の青赤幕はワタクシたちの陣取った真上に。

そういえば、スタジアムに到着してすぐ、天皇杯Tシャツを仙台に行かなかった同行者たちが買ってたんですが、そしたら日比野真理さんが登場。
幸運?にも、J's goalに写真のフォトニュースに掲載されていただきました。
この辺までは非常に吉兆だったんですが。。。




柏側も、予想よりかは良く入っていたかな、と。
ただ、あの音楽は、どうやって出しているんですかね?? まるで右翼の街宣者さながらでした。
こっちのお正月チャントに合わせてお正月チャントを流してくれたり、「宴会ムードってことで」(なにがだ。笑)ゴール裏全体で「乾杯!!」とやったり、相変わらず愉しませてくれます。
試合の後にこれ見よがしにお正月チャントをやられたのが本当に悔しいい。。。




一番決められたくないヤツに土壇場でゴラッソを決められ、元旦国立は来季以降に持越しです。
全体を通して東京の方が内容も良かったし、柏は終盤脚も止まっていただけに、ですね。。。

まあでも全体を通して、「ここで勝てれば!」っていう試合で尽く勝てなかったのが、今季の東京だといえるのは間違いのないところだと思いますので、ある意味妥当は妥当かな、と無理やり自分を慰めるのが何とも虚しいのではありますが、、、。


ただ、冒頭にも書いた通り、今シーズンは間違いなく、ワタクシがSOCIOになってからでは最高のシーズンでした。
観戦した試合も多分最も多いし、こんなに愉しく充実して12月まで過ごすことが出来たのは素晴らしい体験でした。
この日の悔しい思いも、ここまで勝ち進んでいたからこそのもの、ここまで歩を進めたことで初めて体験することの出来る感情であるということは、ワタクシにとっては本当に新鮮なものであることに間違いはありません。

今シーズンは総じて、東京を愛する方々にとっては非常にシアワセなシーズンではなかったかと思います。
リーグ最終戦に、監督がシャーをするような、そんなスタンドとピッチが良好な関係でいられるチームは数えるほどしかないわけですし、また同じチームでもそんなシーズンが毎年あることなんてほぼないでしょう。
そしてその原因の一つは、今季ワタクシたちがチームに求めていたレベルが、そんなに高くなかったということ、高望みしていなかったことが大きいと思います。
ワタクシ自身も当初、今シーズンの目標はただ「残留」であると、そう思っていましたし、多くの人が「今季は我慢の一年」「作り直しの一年」と捉えていたからこそ、望外の優勝争いグループやナビスコ決勝トーナメント進出、天皇杯準決勝などを本当に楽しめたのだと、そう思うのです。

来季は目標やワタクシたちの要求ももちろん高くなりますし、またそれは現状の東京という「あと1つ突き抜けられない」チームにとって、大変な挑戦になると思います。
そこでワタクシたちが、たとえ上手く行かない時があってもどれだけサッカー観戦を愉しむことが出来るか、ワタクシ自身も愛して止まない、あの「愉しんでいこうぜ!」「やっちゃうよ!!笑」的な東京のスタンドのグルーヴを造り出していけるか。
一時期のギスギスした空気が鬱積しているゴール裏ではなく、「私たちとってもいい感じ」なあの一体感を作り出せるかが、私を含め東京を応援するものたちの目指すところではないかと、そう思うのです。
浦和のスタンドようには決してならないことを。
ただ「闘う」「威圧する」だけではない、東京のスタンドを、皆様と一緒に創り出していければと、そう望んで止みません。


来年もみんなで、悦びを。哀しみを。そして、何にも代え難いカタルシスを。
あと、来年東京の11番を背負う男、「俺の」赤嶺を宜しくお願いいたします。

それでは皆様、良いお年をお迎えください。

2008/12/28

エコパへの道。



「僕たちは明日鳥になります!!」

と我らがゴリラが言ったとかw
そんな明日はいよいよ準決勝です。

帰省ラッシュだろうが何だろうが、一年間アウェイへの道のりを共に走った我が車にて一路掛川を目指します。
明日は何としても、何があっても勝ち進んで、元旦国立がただのサッカー観戦になってしまうことがないよう、最後まで声を張り上げて行きたいと思います。

J.B.Antennaを眺めた感じだと、鹿島戦の制裁の話題もあり柏側はそれ程盛り上がってはいないようですが、柏の選手(栗澤とかチュンソンとか)は東京に縁がある選手もいて、それなりにモチベーションは高いご様子。
でも何が何でも負けたくない。
「俺の」赤嶺が明日も千金のゴールを決めてくれることを願って、みんなでエコパへ乗り込みましょう!!

では、明日。

P.S.
おやつは300円までですよ!!笑

2008/12/25

我那覇が神戸と言う事は、

我那覇はJ1神戸入り有力 「来てくれる方向」と社長
(共同通信社)


これで「俺の」赤嶺は残留濃厚っていうのは駄目でしょうかね??
神戸のチームなんだから沖縄の選手2人にブラジル人ってこともないでしょうし。

これで手を打ってくれると非常に素晴らしいんですが。

2008/12/21

天皇杯準々決勝:清水1 vs 2東京



クリスマスから、お正月へ。
5回目のトライでようやく天敵・清水を沈め、遂にベスト4にコマを進めた我がチーム。

シーズンは、まだまだ終わりません!!




初上陸のユアスタは、噂に違わぬ素晴らしいスタジアムでした。
どうにかして、そっくりそのまま夢の島に持って帰ってしまいたい。



9千羽鶴。



三田涼子さんも激写。



右も。



左もサンタがいっぱいな東京ゴール裏。
日本で一番いっぱいサンタに会える場所ですかね。笑



応援席もクリスマス仕様。

コチラも噂に聞いていたクリスマス時期の東京の応援風景ですが、今回念願叶って初参加することができました。
そしてその感想はといえば、とにかく愉しいの一言に尽きます。
大の大人がみんなでサンタ帽被って売店に並ぶわトイレで用を足しているわ、終いにはクリスマスってことで売店でビールよりも早くワインを呑みつくしてしまう皆さんが素敵過ぎます!爆笑


肝心の試合の方は、清水に対する相性の悪さが存分に発揮された前半と、「俺の」赤嶺の本領が存分に発揮された後半、といった感じでしょうか。
今年の清水というと、対戦する毎にどんどんとそのピッチメンバーの平均年齢が下がっているような気がしていたのですが、前半はとにかくやんちゃというか。
勢いそのままにガンガン突っかかってくるような感じで、東京はそれをいなしたいけどいなしきれない、梶山の試合間が今ひとつなせいかパス回しもいまいちテンポが悪い、主審もいまいち毅然としない試合裁きで試合の流れもあっちいったりこっちいったり、そうこうしているうちに難しいプレーをミスしてボールを奪われ、そんな流れの悪い間にPKで先制点を献上、という。
まあそこでペナルティを決めた彼が、ちょっとゴール裏を挑発しちゃったのは、相手が悪かったかな、戸も思いますけれど。
東京というチームは、とりあえず「乗せてはいけない」チームな訳で。
試合前も相手方の監督さんが「にわかトップ」だの「カツカレーなんて」だの色々言ってたみたいですし、まあそうそう怒るでしかし!! みたいな訳ですよ。
結局前半はその勢いで出足鋭く来ていたからこその成功だったのですが、1点リードしている後半は若干受けから入ったことで畳み掛けられて盛り返す前に逆転されてしまった、という感じですかねえ。
振り返れば、この日の清水が見せた姿というのはワタクシたちのチームが過去にそれはもう散々繰り返していた「若いチームが崩れたとき」のそれでありまして、この日は東京の方がちょっとだけ、本当日本のちょっとだけ「強豪チームくささ」を携えていたように思います。

それにしても清水は、前回1-5でやられた際や、鹿島に延長で大逆転勝利を収めたのをTVで見ていた限りでは、とにかくがむしゃらに、そして溌剌とプレーしていたイメージだったんですが、この日仙台で再開した相手は、気負いすぎたのかもしれませんが、やたらに「つっかかってくる」という若者集団に変貌してて「あれれ??」という感じでしたね。
一つ一つの接触プレーや判定にナーバスになりすぎてしまい、集中を最後まで持続させることができなかったという感じでしょうか。
その後リードされて猛反撃に出るも、東京は今季何度か見せた「藤山のサイドハーフ起用」と「平山ボールキープショウ」の2本立て逃げ切り大作戦で試合をクローズして、ようやく今シーズン初めて清水に勝つことが出来ました。
めでたしめでたし。

というか個人的には、

ざ ま あ み ろ



という感じですwww








試合後はみんなで思う存分クリスマス気分を満喫☆



「俺の」赤嶺はやっぱり頼りになります。

去就が微妙なようですが、個人的には来季の11番を期待している選手です。
是非残って欲しいし、その為にもアジア行きの切符が色々なことを解決してくれる約束手形のような気がしてなりません。




試合後は勝利の美酒と牛タンを堪能して、東京へ。
首都たるもの、地方にはバンバンお金を落とさねば。笑



今回ワタクシ達はJR東日本の提供してくださったツアーで日帰り仙台旅行を敢行したんですが、そのツアーはコチラのお店での牛タン定食がツアーメニューとしてついておりまして。
おそらく同じツアーの乗客の方々であろう東京サポの方々で店内はごった返しておりました。
案内待ちの名簿には「赤嶺」「塩田」「城福」「カボレ」など色とりどりの名前が。爆笑



時間の関係で光のページェントは見ることが出来ませんでしたが、仙台はやっぱりいい街です。
スタジアムも最高だし、道行く女の子もかわいい。
後はベガルタがJ1に上がって来るだけだったんですが、まあそれはまた来年以降の愉しみに取っておくことにしましょう。



次はエコパ。
相手は柏です。
栗澤が元気でやっている姿と、柏との応援合戦に期待して。

♪お正月には国立で
青赤軍団荒れ狂う♪

早く来い来い、お正月。

2008/12/06

第34節:千葉4 vs 2東京





敗因を一言で述べるとするならば、「采配ミス」ではなかったかなあ、と。
羽生の交代こそが、このゲームの趨勢を決め、ラスト20分の奇跡を千葉にもたらした要因であったように思います。

まあ本人が脚を攣って交替を申し出た訳ですが、2-0で勝っている段階で、気持ちでプレーするのとは違うやり方で相手をいなすことが出来る選手、今季の東京だと多分エメだとおもいますが、そういったボールを持てる選手がベンチにはいませんでした。
前線の選手は多かったものの、ちょっとバランスが悪かったかもしれませんね。
ピッチに入れる交替選手を決めるのも監督の仕事ならば、当日ベンチに入れる18人を選ぶもの監督の仕事ということですね。




試合前、奇跡の残留に向けて意気揚がる黄色いサポータの「WIN! BY!! ALL!!!」に、ファンファーレ、東海マーチ、終いにはウェーブで応える東京ゴール裏。当然そんなおちゃらけムードに付き合うわけのない千葉側ファンには容赦なくブーイングと、ここぞと言う試合で見せる東京ゴール裏の「すかしモード」が全開でした。
一部の方々からこの雰囲気をして「温い」「緩い」だのという意見があるようですが、ワタクシ自身は、このスタイルこそが大一番に望む東京ファンの最高の気概の発露だと思うのですがいかがでしょうか。
大一番になればなるほど、相手がムキになればなるほど、「そんなに熱くなってないで、楽しもうぜ!! いえ~い」みたいな姿勢で相手をいなしつつ、でも勝っちゃうもんね! 的なw。
結局この日はそうは行かなかった訳ですが、それでもこの日ゴール裏に居合わせたいちファンの受けた印象としては、最高の雰囲気を試合前に造れたと思う、というものでしたがいかがでしょうか。


この試合を通して語る価値があるように思うプレーヤーとして挙げるならば、やっぱり羽生。それから巻でしょうかね。

相当な決意を持って今年一月、ワタクシたちの東京に移籍を決断した羽生のこの日のプレーは、まさに千葉時代、「テレーポーテーション」「分身の術」「ピッチのどこにでもいる」「いや、実はピッチ上に羽生が3人いる」とまで言われた、東京に来た以降はなりを潜めてしまっていたあの珠玉のパフォーマンスでありました。
実際に千葉の残留にかける気迫を跳ね返していたのはその羽生の縦横無尽のプレーぶりであり、言葉を発せずともプレーでチームを引っ張る。そんな描写が相応しい程伝わってくるものがありました。

ただ、、、。
ワタクシはそんなことを思いながら、羽生が千葉の選手から激しくボールを奪い、また際どいシュートを放って東京側に歓声を、千葉側に悲鳴をもたらす度に、その姿に『はじめの一歩』でハンマーナオ(ゲロ道)と対戦した時の幕の内一歩を重ねずにはいられませんでした。
早く決着をつけたい。
さっさと試合を決めて、ラクになりたい。
早く終わって欲しい。

果たして彼が本当にそんな気持ちを抱えてプレーしていたかはもちろんわかりません。
が、とにかく見ているこっちが心配になるほどフルスロットルで飛ばす羽生に引っ張られる形で、東京はハイペースなサッカーを展開。結果的に、2点を奪います。
実際、長友のゴールが決まった瞬間、ピッチ上の千葉の選手は完全にガクッと来ているように見えました。
、、、ただ一人。巻を除いては。

千葉がこちら側に向かって攻めていた前半、巻のプレーは本当に恐かった。
空中戦での競り合いは、正直佐原・モニと5分だったと思います。
でも、彼が競ってボールを触る度、本当にその度にヒヤリとさせられました。
彼は正に鬼気迫るなんて言葉では形容できない程の迫力・悲壮感に溢れたプレーで、愚直にゴールを、勝利を目指していたように思います。

羽生のシュートがポストを叩いて、最後まで千葉の背番号18の心だけは折ることが出来ずにピッチを退いた後、東京は遂に千葉の、いや巻の決死の想いをはね返すことが出来なくなります。
新潟戦の松下のシュートは、塩田が触った結果ポストに弾かれゴールを割らなかったのに、この日の新居のシュートはポストを弾いてゴールに吸い込まれていきました。

そこからあれよという間もなく2失点。
2点目の谷澤のシュートも素晴らしかったけれど、その前に競り勝って彼にボールを落としたのはやっぱり巻。彼の「諦めない気持ち」が、千葉を大逆転に導いたとしか、絶句するワタクシには思えませんでした。








ドラマというにはドラマチックすぎる千葉の残留物語も、その引き立て役となった東京側から見れば本当に悔しい、情けない試合。
ワタクシたちのチームも、今まで何度も相手にまさにこういった感じで煮え湯を飲ませてきていたわけですが、初めて飲まされてみてその絶望感に呆気にとられるしかありませんでした。

でも、いいもの見せてもらったかな。
たとえ負け惜しみでも、そういいたいなと思います。おめでとう。来年もこの素晴らしいフクアリで東京の試合を見ることが出来る。
試合後、千葉のシーズンアウトのセレモニーを見ながら素直に拍手を贈らせて頂きました。



何はともあれ、これで今季のリーグ戦は終了。

最後に本当に悔しい想いをさせられてミソをつけられてしまった訳ですが、それでもやっぱり今季のリーグ戦は上々の出来であったという気持ちに、これっぽっちも嘘偽りはありません。
元々ベルディが川崎に勝つことは正直に全く期待も何もありませんでしたから、残る天皇杯を勝ち残って、元旦国立という至極のシアワセ体験を味あわせてもらいたいと、そう思います。

その相手は、怨敵・清水。
結局今年4試合して一度も勝っていない相手ですが、そして前回天皇杯で対戦(@岡山)した際も2-0から悔しい逆転負けを喰らった相手ですが今度こそ! 絶対に勝ちたいと思います。

2008/12/03

フクアリへの道。

羽生直剛オフィシャルウェブサイト

つくづくこの人は、外連味のない、本当に実直な人だなあと、ただただ思うばかりです。

ワタクシたちがそんなワタクシたちのキャプテンに対してできることは、後押しすること。全力を尽くした彼に、拍手で、歓声で応えること。
きっとそれだけしかないのでしょう。
羽生さん自身の想いは、他の誰にも推し量ることや、ましてや分かち合ってあげることなど到底出来ないと思いますが、この素晴らしいJリーグのシーズンのフィナーレに、彼の物語と、千葉の物語と、そしてワタクシたち東京の物語を、しっかりとその目に焼き付けたいと思います。

ちなみにワタクシ自身は、ACL云々なシチュエーションはもちろん百も承知ですが、それでもベルディの勝利を願うことは絶対に出来ません。
千葉に関しても、ワタクシにとっては心の底から降格して欲しくないクラブの一つであり、しかし東京の敗戦は絶対に見たくないし、ACLには行きたいし。
何だか支離滅裂な願いが渦巻いていて、こんな心境を吐露してしまうと土曜日にフクアリのゴール裏を共にする方々や、そこに辿り着けなかった多くの方々から非難轟々誹りを免れないであろうことも解ってはいるのですが、それでもやっぱり、もしも素晴らしいゲームになり、その結果東京が勝っても或いはもしももしも千葉が勝ったとしても、素直に拍手してしまえる自分が居そうな気さえしてしまいます。

でもくどいようですが、ワタクシは100%東京の勝利を願っていますし、その応援のためにフクアリに出向いていくのです。

、、、。

新潟戦が終わっての家路以来ずっとこの心境を整理しようと頑張っているのですが、未だに荒唐無稽な思考のまま、土曜日を迎えてしまいそうです。
そして、試合が始まって、終わる。
残酷なものか、幸福なものか。何かがワタクシたちの目の前に示される。
様々な思いが去来して、各々がそれを噛み締める。

そしてフットボールは続いていく。

羽生さんの日記を読んで、それでいいのかもしれない、と、ワタクシのような中途半端な応援者も何だか許されたような気がして、少しラクになったような感じです。


最終節。

そこで起こる出来事を、しっかりとこの身で体感しようと思います。

2008/12/02

第33節:東京1 vs 0新潟



プラチナルーキーから、今年のヒーローへ。

東京が今季最後のホームゲームで奪った値千金のゴールは、今季の味スタを最も狂喜させ、そして東京ファンを今季最も惹き付けた選手たちによるものでした。
この瞬間だけを見ても、そして試合全体の内容を俯瞰してみても、疑いなく2008シーズンを象徴する試合であり、またそこにこそ今シーズンのチームの成長を垣間見ることが出来た、そんな試合であったといえるのではないかと思います。

今季のチームの出来を決める選手になった10番を欠く事態で我らがJFK監督が選択した布陣は、羽生をボランチに下げ気味にし、羽生の位置にエメを据えたスタメンとなりました。
浅利ではなく羽生を下げたことに少なからず驚きを感じたワタクシですが、「攻撃的に行く」という決意表明であったと同時に、羽生がダイナミックに動くことによる他の選手のMovingを期待したのかなあ、というのが第一印象。

ただ、左サイドの人員をカボレの他は「総とっかえ」した弊害と言ったらいいのでしょうか、前半はボールを持った金沢やエメが少ないタッチで捌くことが出来ず、出しどころを探すシーンが散見されます。
特にエメはピッチコンディションが掴めなかったのか、それとも試合勘の問題なのか、パスのスピードやコースが少しずつずれてパスミスを連発。

いかんせん梶山がいないため大きな展開は期待できず、加えてエメがこの通りブレーキでパスがリズム良く繋がったのは1、2回といったところでしょうか。
当然これではリズムも悪くなれば流れも掴めず、というわけで、新潟の松下(いい選手ですねえ。。)を起点に危ないシーンを何度も作られてしまいます。
最早完全にネ申を襲名した塩田様の素晴らしいパフォーマンスで失点はしませんでしたが、やはり梶山不在時の「答え」を示すことは、この試合でも出来なかったかな、と。。

ただ、では何も打つ手なしの前半だったのかといえばそんなこともなく。

確か前半、松下が裏へ抜けて塩田と接触、ボールはクロスバーをヒットで肝を冷やした後の松下の治療時間だったと思います。
モニ、佐原、今野、羽生の4人がペナルティアークの付近に集まってミーティングをしていたのです。
こういう選手同士で試合中に話し合うシーンというのは結構東京においては珍しい1コマであるように思えて、何だか印象に残っているのですが、この結果中盤の底には羽生が入り、今野が右めに少し張り出す形になり、羽生を中心に短く横パスを繋ぎながら全体を押し上げ、左サイドから相手ゴール前まで迫る、というシーンを作っていたりしたのを見て、「ああきっと選手間で役割をハッキリさせて修正を図ったんだな」と妙に納得してしまったワタクシなのでした。

このワンシーンが個人的にはとても印象深いものだったんですが、その他にも、東京は試合開始直後には前線に蹴って押し上げる、というスタンスでプレーしていましたが次第に地上戦でパスを回して崩すことにチャレンジしていました。
新潟は新潟で、東京対策としてかは判りませんが、前線からしっかりと追ってCBの2人やボランチのところでのビルドアップをさせないという対応を精力的にこなしていたので、実際あまり効果的に試合を支配できているようには見えなかったかもしれません(実際ワタクシもそうでした)が、ところがこれがしっかりと効果を持っていたというが試合が進むにつれて判ってきます。


この試合、確かに東京の試合内容が良かったかと言えばそうはいえないかもしれません。
塩田の再三のビッグセーブや、監督も認めているように運にも加担してもらわなければ結果は全くわからなかったとも思います。

ただ、先程リプレイでも確認したのですが、後半20分を過ぎた頃から新潟のフィジカルが目に見えて落ちてくるわけですよ。
トラップの際に足が出なかったり、パス精度、攻守の切り替え、状況判断のスピードなどが明らかに東京についていけなくなってくるのです。
次第に大竹を掴まえきれなくなり、ナオよりも少し低い位置から走り始める達也についていけなくなったり。
選手交代の妙ももちろんありますが、それが効果を発揮する展開へと試合が流れていっているように思うのです。

そして、「俺の」赤嶺の決勝点。
これも結局、基本通りにたたきつけたヘディングが新潟の選手のクリアミスを誘っているのも、その辺のフィジカル要素が大きいとワタクシは思っています。


2007-2008シーズンのアーセナルと対戦したチームは、パスを回しに回されて後半の半ばで必ずバテてしまい、最終的にはアーセナルにゴールを割られるという展開を紋切り型のように繰り返しました。
今の東京がそこまでのことをやっているとはこれっぽっちも思っちゃいませんが、しかし苦しかった夏場を乗り越えた結果、相手を消耗させる。自分たちはそこでもう一度押し込める。それくらいの展開には持ち込めるようになっている。
この試合はそんな東京の現在地の証左になったのではと、一人で思っていたりするのです。


さて、私が東京を見始めて以来、おそらく最も幸福な試合後のセレモニー。

色々な所でも貼られていますが、ココにも貼らせていただきます。
撮影してくださった方には、最大の尊敬と、深い感謝を。



それにしても、素晴らしい演説ですねえ。
そこいらの政治家センセよりも、よっぽど心を鷲摑みにされ、揺さぶられるように思うのはワタクシだけではないと思うのですが。。

どなたかも仰っていましたが、この試合でようやく東京も「スタートライン」にたったのかな、と。何故だかそんな気持ちになります。
もちろん今季はまだまだ続く(これも本当に嬉しい!)のですが、今年は本当に愉しい一年であったなと。
そしてこれをベースに来年、更に高い目標にチャレンジしていくことを思うと、今からもうワクワクしてしまったりする妄想癖なワタクシなのです(爆)。

来年も、ホーム最終戦でスタンドに乞われて監督がパフォーマンスをする、そんな愉しい瞬間を享受することが出来る、そんなシアワセな時間がもっともっと長く続くことを願って止みません。




ワタクシがFC東京というサッカーチームに、初めて出逢った時に選手たちが着ていたユニフォームです。



歴代のユニフォームたちが語る通り、東京にもそれなりに過去が出来ました。



そして、もちろん未来があります。
そしてそれは、とても明るい。

そう思わせてくれる、2008年最後のホームゲームとなりました。


また来年。

このスタジアムで、色とりどりの出来事を、この目に焼き付けて行きたいと思います。